知らないと命とり!中小企業のためのリスクマネジメント(2)

~お金をかけずに業績もアップ、一石二鳥の経営術~

4回にわたり、中小企業のための「リスクマネジメント」について、説明させていただいております。今回は2回目です。1回目の記事はこちらをご覧ください。

(1)なぜ、中小企業にも「リスクマネジメント」は必要なのでしょうか?

(2)中小企業のリスクマネジメントにかかわる問題点

column6図1

現状、多くの企業ではリスクマネジメントは後回しとなっています。これについて、以下の理由が考えられます。

まず多いのが、目先の問題解決に精一杯ということです。多くの経営者は、明日の資金繰りや今月の売り上げをどうやって達成しようかということで頭は一杯です。とても将来のリスクことまで考えるゆとりがないという状態です。

でも経営者ですから、ときどきリスクについて、さまざまな思いが頭をよぎりますが、多くの場合は漠然としたものであることが多いのです。リスクマネジメントは将来のリスクについて考えるツールですがその方法もよくわからないので、合理的かつ効率的に具体的な対策もとれないまま、さまざまな思いはいつしか消えていきます。

また、多くの中小企業は実効性がすぐに見えないものにコストが掛けられないと言われています。本当にそうでしょうか?こうしたものにコストをかけるか否かの判断は、経営者の「リスク感性」や経営に対する将来の認識の違いによって変わってきます。経営者の見識が問われる部分でもあります。

しかし、新規事業リスクや海外リスクに対する認識が甘い場合がほとんどです。何も考えずに「大丈夫だろう」と楽観的に思い込んでいるケースが多いのです。また、想定されるリスクがとても手におえないような場合には、はなから考えることを止めてしまうこともよく見られます。目の前に壁があってぶつかりそうになると目をつぶってしまうようなものです。

その結果、無謀な新規事業や海外展開で大きな失敗を招くことが非常に多いのが実態です。事が起こってからでは遅いのですが、事前にリスクを予測し手を打っている経営者は少ないのです。(次回に続く)

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