5分で読める『はじめてのユニバーサルデザイン』後編
ふたたび
前編・後編の2回にわたりご紹介させていただく、はじめてのユニバーサルデザイン。今回は、2回目である後編となります。
前回を未読の方は、コチラからどうぞ!
5分で読める『はじめてのユニバーサルデザイン』前編
当該コラムの構成は、以下のようになっています。
前編 はじめに 第1章 ユニバーサルデザインの基礎知識 第2章 ユニバーサルデザインとバリアフリー ひとこと |
後編 ふたたび ←今ココです! 第3章 ユニバーサルデザインが求められる社会的背景 第4章 ユニバーサルデザインを学ぶには さいごに |
今回は、後編の部分になります。さっそく第3章からはじめさせていただきます。
第3章 ユニバーサルデザインが求められる社会的背景
少しずつですが、今、確実にユニバーサルデザインが必要とされ始めています。なぜ、ユニバーサルデザインが必要とされるようになってきたのか。ユニバーサルデザインが求められるようになった背景として、大きく3つの社会的な変化が挙げられます。〔1〕
1.医療の発展 : 高齢の方や障がいをもつ方が増えました。
2.インフラの整備 : 高齢の方や障がいをもつ方、子供などの行動範囲が広がりました。
3.外国人の増加 : 日本とは言語や慣習が異なる外国の方が増えました。
医療が発展することで、これまで治療が難しかった病気やケガも、治療することができるようになり、多くの命が救われ、高齢の方や障がいをもつ方が増えました。そして、インフラの整備が進むことで、高齢の方や障がいをもつ方、子供などの移動がスムーズになり、行動範囲が広がりました。また、言語や文化の異なる外国の方が増え続けています。
以上の変化から、より多様な利用者ニーズに対応することが必要となり、この変化の対応策の1つとして、ユニバーサルデザインが求められるようになっています。
ここでポイントとなるのは、上記3つの変化は、現在進行形であることです。今後、商品やサービスを提供する側として、この変化は無視できないものになってくることがご理解いただけるかと思います。
ご参考までに、年齢階層別障がい者数の推移と訪日外国人の推移を掲載します。
図1‐年齢階層別障害者数の推移(身体障害児・者(在宅))〔2〕
図2‐年別訪日外客数の推移〔3〕
第4章 ユニバーサルデザインを学ぶには
ユニバーサルデザインをもっと学びたい方は、以下にてユニバーサルデザインに関することを学ぶことができますので、簡単にご紹介させていただきます。
■ユニバーサルデザインコーディネーター
特定非営利活動法人実利用者研究機構にて開催される「養成講義」と「検定試験」を経て資格を取得できます。いろいろな気づきを得られると思いますので、とてもおススメです。
尚、私が受講した「準2級ユニバーサルデザインコーディネーター講座・資格取得コース」ですが、テキストは「ユニバーサルデザイン」「人」「手法」の3章構成となっており、非常に読みやすい点が特徴です。〔1〕
また、様々な実体験ができることも魅力の1つです。具体的には、車イスで外出する「車イス疑似体験」や、完全に視覚をシャットアウトして、施設内の自販機で飲料を購入してくる「全盲体験」など、身体に不自由を抱える方々が、どれだけ大変な思いをされているか、身をもって体験でき、たくさんの気づきをえられるなど、非常に貴重な時間を過ごすことができます。
こちらからどうぞ → http://www.ud-web.com/
■ユニヴァーサルデザイン検定
一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会が開催する「検定試験」を経て資格を取得できます。私は未受検ですが、テキストは所持しています。テキストは全12章にわたり、ユニバーサルデザインに関する、法令や教育、まちづくり、交通、住宅、防災など、多種多様な知識を学ぶことができます。〔6〕尚、別途、受検前に開催される講習会もあるようです。
こちらからどうぞ → https://www.iaud.net/ud_certification/
■メディア・ユニバーサルデザイン
特定非営利活動法人メディア・ユニバーサル・デザイン協会にて開催される講習と検定試験を経て資格を取得できます。こちらも残念ながら未受検ですが、テキストは「色覚編」と「文字組版編」の2冊で、前者では、当該コラムの前編にあるユニバーサルデザインの基礎知識の他、メディア・ユニバーサルデザイン5原則、色の見え方などを学び、後者では、「文字」と「文字組版」の理解を深め、文章の可読性を高める手法を学ぶ内容となっています。〔4〕〔5〕
こちらからどうぞ → http://www.media-ud.org/
資格をとればユニバーサルデザインを実現できるかといえば、そんな簡単なことではありませんが、多様な知識を身につけることは、ユニバーサルデザインを実現するための一歩となると思い、ご紹介させていただきました。
さいごに
以上が、はじめてのユニバーサルデザイン 後編となります。いかがだったでしょうか。
後編では、ユニバーサルデザインがなぜ必要なのか、さらに知識を深めるにはどのような方法があるのかを、お伝えさせていただきました。
このコラムで興味・関心をもたれた方は、今後もユニバーサルデザインの知見を広げていただけると幸いでございます。
後編を最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
前後編続けてお読みいただきました方、長時間おつきあいいただき、誠にありがとうございました。
≪≪ 出典・リンク先 ≫≫
〔1〕「ユニバーサルデザインコーディネーター検定 3級・準2級資格取得講座公式テキスト」を加筆
〔2〕「平成27年版 障害者白書」から抜粋
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h27hakusho/gaiyou/pdf/s3_3.pdf
〔3〕「日本政府観光局(JNTO) 国籍/月別 訪日外客数(2003年~2017年)」から作成
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf
〔4〕「メディア・ユニバーサルデザイン3級MUDアドバイザー 講義テキスト(色覚編)」から紹介
〔5〕「メディア・ユニバーサルデザイン3級MUDアドバイザー 講義テキスト(文字組版編)」から紹介
〔6〕「知る、わかる、ユニヴァーサルデザイン IAUD UD検定・中級 公式テキストブック」から紹介
≪≪ 参 考 文 献 ≫≫
著者:特定非営利活動法人 実利用者研究機構
「ユニバーサルデザインコーディネーター検定 3級・準2級資格取得講座公式テキスト」
◆◇ プロフィール ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
長島 和秀(ながしま かずひで)
中小企業診断士
カラーコーディネーター
準2級ユニバーサルデザインコーディネーター
<< 略歴 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
パチンコ業界 : ホールスタッフを経験後、経営企画にて業績管理やBSCの運用、
その他、経理やマーケティングなどを経験する。
建設業界 : 経営企画にて業績管理や組織活性化、
管理部にて人事・総務、情報システムなどを経験する。
広告業界 : 現在、経営企画にてISMSやPMSの取得、システム導入などに携わる。
<< 所属 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部 正会員・青年部員
一般社団法人神奈川県中小企業診断協会 正会員
一般社団法人埼玉県中小企業診断協会 正会員
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