知らないと命とり!中小企業のためのリスクマネジメント(1)
~お金をかけずに業績もアップ、一石二鳥の経営術~
(文責:藤田泰宏)
はじめに
今日から4回にわたり、中小企業のための「リスクマネジメント」について、少し説明させていただきます。でも、「リスクマネジメント」と聞くと、「なんだかよくわからない」、「大企業の話?」、「そんなことやっている時間もお金もない」、「効果が見えないので、後回し」、という声が聞こえてきそうですね。本当はとっても面白くて、企業経営の根幹をなすものなのですが。
実は、「リスクマネジメント」の究極の目的は「企業価値の拡大」にあります。リスクにはプラスとマイナスがあり、プラスを伸ばし、マイナスを抑えると業績をアップさせ、そして「企業価値」が上がるのです。
また、リスクは企業の規模に関係なく、ある日突然、現実のものとなります。それなのに多くの中小企業では、目の前の業務に追われています。そのうち何とかなるだろうと淡い期待を抱いています。そして、突然悪い出来事に襲われ、あるいは良い出来事を生かせず、泣いている経営者がなんと多いことでしょうか。
でも、泣かずにすむ方法があります。中小企業の経営者が少し考え方を変えるだけでいいのです。お金をかけずにリスクをうまくコントロールする「リスクマネジメント」を行う方法があります。
ここでは、さらに企業価値を高めかつ会社の存続にも繋がる一石二鳥の方法をわかりやすくお伝えします。
(1)なぜ、中小企業にも「リスクマネジメント」は必要なのでしょうか?
現代社会は目まぐるしく変化しています。いまや中小企業にとっても新規事業開拓や海外展開は待ったなしですね。でも新規事業や海外展開のリスクは既存事業のリスクよりはるかに高いことが多いのです。
しかし、中小企業は、大きなリスクを負えません。大企業であれば、一つや二つの商品や事業がダメになっても会社が傾くことはまずありませんが、中小企業では一つの商品や事業の失敗は命取りになります。だからといって、中小企業のリスクは大企業よりも少なく発生するかというとそうではありません。リスクは企業規模に関係なく潜在します。
リスクマネジメントはリスクを巧くコントロールするツールです。こうした近代的なツールは、まずは欧米で進化しました。それは多くの専門家や先人の英知の結晶でもあります。これを使わない手はないですね。
ただし、基本的にいわゆるリスクマネジメントは大企業向けに作られているので、中小企業にも使い勝手がいいように変えればいいのです。
だから、中小企業にも「リスクマネジメント」は必要なのです。(次回に続く)
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