【実務補習を受講される方必見!!】二次データの取得方法のご紹介
1.はじめに
私は新米中小企業診断士です。令和3年1月に中小企業診断士試験に合格後、『実務補習(企業診断実習)』を受講して、令和3年12月に中小企業診断士として登録を行いました。
その『実務補習』で私が苦労したことの一つが、診断報告書の作成に必須となる二次データ(官公庁や研究機関、他社が保有するデータ)の取得です。当初、私はインターネット上でキーワードを入れて検索するだけの方法で探していました。しかし、その方法では質・量ともに十分なデータが取得できませんでした。途中で二次データ取得サイトの存在を知り、それを使うことで診断報告書を完成させましたが、その時“あればいいな”と思ったのが『二次データ取得サイトの“シンプル”な一覧表』です。インターネット上で同様なサイトはいくつかあったのですが、一つ一つの解説や画像が多く、何ページにもまたがっており、必要な情報を取得できるサイト自体を探すのに非常に時間がかかりました。
そんな私の経験から、以下のような実務補習受講者向けの『企業診断書作成に活用できる“二次データ取得サイト一覧”』を作成しました。
- 自ら検索して取得した二次データを使用した報告書(レポート)を作成したことがない方。
- 企業診断書作成のためにどの二次データ取得サイトを活用したらいいかわからない方。
- インターネット上のまとめサイトで二次データ取得サイトを見てみたが説明文や画像が多くてどれを使っていいかわからず、“シンプル”なものを求めている方。
- 無料サイト限定でお探しの方。
“とにかくたくさんのサイトを閲覧して、自分が必要とするデータを自分の目で見て選びたい方”、ぜひ当コラムをご活用ください。
2.二次データ取得サイトのご紹介
★ 記載内容 ★
( )分類 【 おすすめの担当パート(実務補習は担当別に報告書を作成) 】
〇サイト名 ( ホームページアドレス )
取得可能データ情報
(1)公的系 【 公正で信頼性が高いデータの取得が可能で全パートの担当者におすすめ 】
①e-stat 政府統計の総合窓口(https://www.e-stat.go.jp/)
全国規模のマクロデータ(国勢調査、人口の変動推移、経済動向など)
②内閣府 経済社会総合研究所(https://www.esri.cao.go.jp/index.html)
景気動向指数、機械受注統計調査などの国内統計データ
③経済産業省 経済解析室(https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/keizaikaiseki)
さまざまな業界の指数や動向、経済指標(スポーツ記事からグローバル経済の動きまで幅広い)
④経済産業省 中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/)
中小企業にフォーカスした調査(中小企業白書、中小企業景況調査報告書など)
⑤総務省 情報通信統計データベース(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/)
情報通信分野に特化した統計データ(インターネット、テレビ、ラジオなどの定点調査が中心)
(2)銀行系 【 財務パートの担当者におすすめ 】
①日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/n/findings/gri.html)
中小企業動向、製造業設備投資動向、中小企業の経営等に関する調査などの、国内統計データ
②商工中金(https://www.shokochukin.co.jp/sitefailover/report/index.html)
中小企業動向(設備投資・IT活用状況など)、アジア主要国の経済データなどの統計データ
③三菱東京UFJ銀行(http://www.bk.mufg.jp/rept_mkt/index.html)
業界の見通し、経済の見通しなどの、さまざまな統計データ
④三井住友銀行(http://www.smbc.co.jp/hojin/report/)
産業用ロボット市場の動向、業種別レポートなどの、さまざまな統計データ
⑤みずほ銀行(https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/index.html)
さまざまな業界の動向分析レポート、経済に関する調査レポート
(3)シンクタンク・コンサルティング会社系 【 営業・製品戦略・情報パートの担当者におすすめ 】
[総合]
①野村総合研究所(https://www.nri.com/jp/knowledge/report)
話題のテーマや社会テーマに関する統計データやプレゼンテーション資料(金融関係に強い)
②MyEL(マイボイスコム)(https://myel.myvoice.jp/)
消費財、サービス、ライフスタイル、消費行動などの300を超えるジャンルのアンケートデータ
③業界動向サーチ(https://gyokai-search.com/)
業界動向データ(企業ランキングやシェア、業界状況を天気図で表示するなど、直感的で見やすい)
[IT]
④MMD研究所(https://mmdlabo.jp/)
スマホ・タブレットに関する分かりやすく豊富な統計データ
⑤株式会社MM総研(https://www.m2ri.jp/)
IT関連の統計データ
⑥日経リサーチ(https://www.nikkei-r.co.jp/)
企業や市場、世論に関するデータ、消費者動向、セミナーの紹介やリサーチ記事など
⑦Marketing Research Camp(https://marketing-rc.com/)
ITトレンド系の市場調査を中心とした統計データ(詳細の閲覧には無料会員登録が必要)
⑧ニールセン(https://www.netratings.co.jp/)
インターネット市場に関する統計データ
⑨ミック経済研究所(https://mic-r.co.jp/)
IT・ネット分野の市場調査に特化した、比較的ビジネス寄りの統計データ
[ライフスタイル・トレンド]
⑩ニッセイ基礎研究所(https://www.nli-research.co.jp/)
幅広いジャンルの専門性の高い研究領域レポート・データ(経済、医療、ビジネス、暮らしなど)
⑪JMR生活総合研究所(https://www.jmrlsi.co.jp/trend/)
食・生活・流通に関する月次データ
⑫J-Net21(https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/index.html)
飲食業・物販業・サービス業の市場調査データ
⑬NTTコム リサーチ(https://research.nttcoms.com/database/index.html)
消費者動向調査を中心に、医療から漫画まで多種多様な統計データ
⑭Intage 知る Gallery(https://www.intage.co.jp/gallery/)
生活者トレンドにまつわる統計データ
⑮JMR生活総合研究所(https://www.jmrlsi.co.jp/trend/)
食・生活・流通に関する月次データ
⑯JMR生活総合研究所(https://www.jmrlsi.co.jp/)
消費動向のトレンドをおさえられる月次統計データ(会員登録が必要。無料会員は閲覧制限有り)
⑰公益財団法人 日本生産性本部(https://www.jpc-net.jp/)
企業活動や生産性に関わる調査・企業活動や生産性に関わる調査データ
⑱楽天リサーチ(https://insight.rakuten.co.jp/report/)
楽天のモニター調査によるバラエティに富んだデータ
(4)広告代理店・その他 【 人事労務・営業・製品戦略パートの担当者におすすめ 】
①博報堂 生活定点(https://seikatsusoken.jp/teiten/)
生活者のトレンド情報(生活者の意識と欲求の推移など分析データ)
②電通 日本の広告費(https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/)
日本国内で1年間に使われた広告費(広告媒体料と広告制作費)の統計データ
③リクルート(https://www.recruit.co.jp/newsroom/data/)
消費者動向のリアルな推移データ(平均時給調査、外食市場調査、宿泊旅行調査など)
④ホームメイト(https://www.homemate.co.jp/research/)
市区町村ごとのジオグラフィックデータ(人口、施設数、転入・転出率、所得・物価、福祉費など)
⑤調査のチカラ(https://chosa.itmedia.co.jp/)
多種多様な調査データのリンク集
(5)キーワード検索 【 世間の興味をリアルタイムに把握可能で全パート担当者におすすめ 】
①aramakijake.jp(https://aramakijake.jp/)
ネット検索キーワードでの検索順位ごとの月間検索アクセス数(キーワード検索数調査・予測ツール)
②ラッコキーワード(https://related-keywords.com/)
サジェストキーワード(Google/Bing/YouTube等)・関連Q&A・トレンド情報
3.おわりに
実務補習をうまく乗り切るためは、時間を効率的に使うことが一番の鍵となります。平日の仕事が終わった後に約1週間で企業診断書を作成するのは、本当に大変でした。(睡眠不足との戦いでした(笑)。ただ、乗り切った後の充実感と成長した実感は他には代えがたい、非常に有意義な経験でした。)
このコラムで少しでも皆様方の時間効率化、そして中小企業診断士としての成長のお手伝いができれば幸いです。
赤塚 一輝
中小企業診断士