中小事業者の皆さん、いよいよマイナンバー制度がスタートします(1)
早いもので、今年もあと一箇月と少しを残すのみとなりました。
年末のあわたただしさは毎年のことですが、今年はいつにも増して強く感じます。それはたぶん、来年1月からはじまる「マイナンバー制度」という新しい社会基盤(インフラ)の準備をどうしたらよいか、はっきりしていないことも理由なのではないかと思います。
このコラムでは、今回から3回にわたって、「マイナンバー制度の基本用語」、「12月中に中小規模事業者がやっておくこと」、「1月から中小規模事業者がやらなくてはならないこと」について、特例的取り扱いも含めて、簡潔にコメントしていきたいと思います。
今回は、マイナンバー制度の大まかなスケジュールと、制度の基本的な用語を、念のためおさらいしておきましょう。
マイナンバー制度のスケジュール
時期 | 行政 | 民間 | |
2015年 | 10月 | マイナンバー法施行 通知カード配布開始 |
安全管理体制の構築 マイナンバー収集対象者への周知 社員教育・収集開始・委託先選定 |
2016年 | 1月 | マイナンバー利用開始 個人番号カードの利用開始 |
税務関係の事務手続に利用開始 雇用保険関係の事務手続に利用開始 |
2017年 | 1月 | マイナポータルの運用開始 | 健康保険の事務手続に利用開始予定 (公的年金については開始を延期) |
7月 | 地方自治体との情報連携開始 | ||
2018年 | 預貯金口座へ付番開始(任意) |
■マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)とは、
マイナンバー(個人番号)を利用して、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、・公平公正な社会の実現、・国民の利便性向上、・行政の効率化を実現するための社会基盤(インフラ)です。
■マイナンバー(個人番号)とは、
住民票を有する全ての方に1人1つの番号を付して、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用される「12桁の番号」です。この12桁の番号は、平成28年1月から、社会保障・税・災害対策の分野の行政手続に限って利用されます。
■マイナンバー法とは、
通称「番号法」と呼ばれ、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律が正式名称です。マイナンバー制度の根拠法です。
■特定個人情報とは、
個人番号をその内容に含む個人情報をいいます。
■マイナンバー基本4情報とは、
現在配布が行われている通知カードに記載されている本人識別のための基本的な情報で、氏名・住所・生年月日・性別の4つの情報を指します。
■マイナンバー4箇条とは、
特定個人情報保護管理委員会が平成26年12月に作成した「中小企業のためのはじめてのマイナンバーガイドライン」で使われている、特定個人情報利用のためのルールのことです。具体的には、①取得・利用・提供のルール、②保管・廃棄のルール、③委託のルール、④安全管理措置のルールの4つのルールを指しています。事業者にとって極めて大切なルールです。
■中小規模事業者とは、
事業者のうち従業員の数が100人以下の事業者であって、「個人番号利用事務実施者」「委託に基づいて個人番号関係事務又は個人番号利用事務を業務として行う事業者 ・金融分野の事業者 ・個人情報取扱事業者」を除く事業者をいいます。この「中小規模事業者」には、マイナンバー制度についての特例が適用されます。
では、次回は「12月中に中小規模事業者がやっておくこと」を予定しています。
<参考資料>
内閣官房マイナンバーHP(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/)
特定個人情報保護委員会HP(http://www.ppc.go.jp)
中小企業向け はじめてのマイナンバーガイドライン
特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)